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コラボレーション型のスパムフィルタ
コラボレーション型のスパムフィルタは、ユーザから寄せられる迷惑メール情報を基に、メールがスパムか否かを判断するための情報をデータベースに登録し、それらを参照することで迷惑メール
を特定する方式のことである。多くのアンチスパム技術がスパムの増加と多様化に対応するのが困難なのに対し、コラボレーション型のスパムフィルタは、スケールが大きくなるほど精度が上がる
数少ない技術として注目されている。今回は、このコラボレーション型のスパムフィルタの仕組みと、スパム技術対策の将来について解説する。
コラボレーション型スパムフィルタは次の3つの機能から成る。
データベースに登録された情報を基にスパムメールを特定するため、ハニーポットやブラックホールリストと類似しているが、ユーザのレポートにおける信用度を、 迷惑メールの判定に反映させている点が異なる。正確な情報を寄せるユーザは信用度を上げ、誤ったレポートを故意に寄せるユーザは信用度を下げることでデータベースの品質を維持する 仕組みを確立している。 データベースには、内容や言語ではなく、スパムメールの特徴を抽出したフィンガープリントが登録される。また、ユーザからのレポートを受けると、 ほぼリアルタイムにデータベースを更新できる機能を備えている。
ウイルスと異なりスパムメールの判定は難しいのだが、コラボレーション型スパムフィルタでは、多数決により意見が一致しない場合は、スパムと判断されない。 また、多数決を採用しているため、個人間のメールがスパムと判定される可能性は低い。そのため、正規のメールをスパムメールとして処理するフォールスポジティブは回避できる。
Web 2.0は、O’Reilly社のTim O’Reillyが提唱したコンセプトである。Web2.0の代表的なサービスとして、「Wikipedia」がある。これはユーザが自由に記述と訂正ができるため、 参加者が増えるほど記事は充実し、精度も上がっていく。つまり、Web 2.0という概念は、利用する人が増えていくほど、それにあわせて自動的かつ品質の高いサービスを提供することができる 仕組みを示している。「ベイジアンフィルタ」「キーワードフィルタ」「ヒューリスティックフィルタ」「ロジスティック回帰」などの手法がWeb1.0的な技術と評されるのに対し、 コラボレーション型スパムフィルタはWeb2.0的な技術とも見なされている。
センドメール株式会社
日本法人社長 小島 國照
日本タンデムコンピューターズ(現:日本HP)、ストラタスコンピュータ(現:日本ストラタステクノロジー)においてマーケティングおよび技術部門の責任者を勤めた後、サイベース、シャイア
ンソフトウェア、オブジェクト・デザイン・ジャパンなど、ソフトウェア業界において、マーケティング、製品開発、経営などに携わる。2003年より現職。センドメール入社以前は、ターボリナッ
クスジャパン社長として、日本のビジネス市場における本格的なLinux導入に尽力した。
※本稿は2007年8月1日(水)ベルサール九段にて開催されました「メールアブユース対策技術セミナー」の講演をもとに、ソースポッド編集部が作成しました。