掲載日:2008.9.29

なぜメールの誤送信防止が求められているのか?

メールの誤送信と聞いて、自分とは全く無縁であると考える人はほとんどいないのではないでしょうか?おそらく、送信ボタンを押した後に、「今送ったメールを受信者が確認する前に削除したい」と感じたことのある人もいるかと思います。メール誤送信とは、その名の通り意図的ではなく、人為的に誤ってもしくは誤ったメールを送ることで、俗に言う「うっかりミス」により発生するものです。

日本で本格的にメールシステムが導入され始めた1990年代後半から既にメールの誤送信は発生していたのですが、昨今メールがビジネスコミュニケーションを行う上でのインフラとなってきていることにより、誤送信発生頻度が高まり、今年になって注目され始めました。

メール誤送信対策を行わなくても、「うっかりミス」がなければ何の問題も起きないと考える人がいるかもしれませんが、それは間違いです。ミスをしない完璧な人間などいません。実例として、1回のメール誤送信の影響により、送信者がクビになり、会社にも多大な損害を与えたケースもあります。

メール誤送信の定義と影響
図1 : メール誤送信の定義と影響

メール誤送信による被害の実例

メール誤送信によって、個人情報や機密情報、あるいは内部情報が漏えいしてしまうことで、大きな損害を被ることがあります。以下に実例を2点ご紹介します。

【実例1】宛先間違え

以下はある企業の宛先間違えによるメール誤送信の実例です。IR担当者が、一般投資家の問い合わせに対する回答案を上司に確認する際に、誤ってその投資家にメールで送付しました。その情報はオープンな掲示板にも公開され、投資家より批判を受け、結果的に企業の信頼性が崩れ、CEO、CFOが減給、IR担当者が更迭されることになりました。

以下、同社発表内容の一部抜粋です。

【実例1】宛先間違え・発表内容の一部抜粋

【実例2】アドレス入力欄間違え

以下はある企業のアドレス入力欄間違えによるメール誤送信の実例です。メール配信ソフトやサービスを利用せず、クライアントメーラーで、Bccにアドレスを設定して配信すべきところを、誤ってTo、Ccに設定してしまい、メールアドレス情報が漏えいしたというものです。

以下、同社発表内容の一部抜粋です。

【実例2】アドレス入力欄間違え・発表内容の一部抜粋

このように、メール誤送信による情報漏えいによる影響は、送信者自身はもちろんのこと、送信者が所属する企業や団体にも大きな被害を与えることになるのです。

メール誤送信とは?

メール誤送信とは、実際にどのようなものなのでしょうか?以下に代表的なものを列挙してみました。この中でも大問題に発展しやすいのが、情報漏えいに関わる「宛先間違い」「ファイルの添付間違い」「Bccに設定すべきアドレスを間違えてTo、Ccに設定」です。また、 「添付ファイルの暗号化忘れ」は、盗み見される可能性があるだけではなく、ファイル添付メールの宛先を間違えて送信してしまうと、情報漏えいにつながります。

メール誤送信の種類
表1 : メール誤送信の種類

ヒューマンエラーは起こるもの。被害を如何に食い止めるべきか

この世にはミスをしない完璧な人間などいません。人間である限り、ミスは起こりうるものであるという認識が必要となります。メールの誤送信は「うっかりミス」によって発生するため、不注意な人ほどその発生回数は多くなることが考えられますが、注意深い人でも「うっかりミス」を起こす可能性があります。可能性があるのに対応しなかった場合、ミスを起こした人だけを責めることはできるのでしょうか。

もちろん、大問題になればなるほど、担当者だけではなく所属企業や団体等への被害が大きくなります。

コンプライアンスやリスクマネジメントの一環として、企業や団体等のポリシーに従い「メール誤送信防止」を行うことで、従業員が安心してメール業務に取り組むことのできる環境を構築し、企業リスクの軽減に努めるべきではないでしょうか。

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